【FP監修】NISA・iDeCoの前にやるべき5つのこと!資産形成の正しい順番とは

投資

はじめに

NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)が注目を集めています。これらの制度は確かに魅力的ですが、いきなり始めるのは注意が必要かもしれません。実は、NISA・iDeCoを始める前に、やるべきことがあるのです。本記事では、ファイナンシャルプランナーの視点から、資産形成の正しい順番と、NISA・iDeCoの前にやるべき5つのステップをご紹介します。

NISA・iDeCoを始める前の5つのステップ

家計の見直し

まず最初に行うべきは、自分の家計をしっかりと把握することです。

収支の把握
1ヶ月の収入と支出を細かく記録しましょう。スマートフォンのアプリや家計簿ソフトを活用すると便利です。

無駄な支出のカット
固定費や変動費を見直し、不要な支出を削減します。例えば、使っていない有料サブスクリプションサービスの解約や、外食頻度の見直しなどが効果的です。

貯蓄の習慣化

次に、コツコツと貯蓄する習慣を身につけましょう。

自動積立の活用
給料日に自動的に一定額を貯蓄口座に振り込む設定をしましょう。これにより、「先に使って、残ったら貯金」という悪習慣を防げます。

目標金額の設定
短期・中期・長期の目標を立て、それぞれの目標金額を設定します。具体的な目標があることで、貯蓄のモチベーションが上がります。

緊急資金の確保

予期せぬ出費に備えて、緊急資金を用意することが重要です。

適正な金額の目安
一般的に、3〜6ヶ月分の生活費が目安とされています。例えば、月の生活費が20万円なら、60〜120万円程度を目指しましょう。

流動性の高い貯蓄手段
緊急資金は、いつでも引き出せる普通預金や決済性預金で管理します。金利は低くても、すぐに使える状態にしておくことが大切です。

保険の見直し

適切な保障を確保しつつ、過剰な保険料負担を避けることが重要です。

必要な保障の確認
生命保険、医療保険、損害保険など、自分や家族に本当に必要な保障を見極めます。ライフステージによって必要な保障は変わるので、定期的な見直しが大切です。

過剰な保険料の削減
不要な特約や重複した保障がないか確認し、適切な保障内容に調整します。保険料の削減分を貯蓄や投資に回すことで、より効果的な資産形成が可能になります。

借金の返済

高金利の借金がある場合、まずはその返済を優先しましょう。

高金利ローンの優先返済
クレジットカードのリボ払いや消費者金融からの借入れなど、金利の高いものから返済していきます。これらの金利は投資リターンを大きく上回ることが多いため、返済が最優先です。

債務整理の検討
返済が困難な場合は、債務整理の方法(任意整理、個人再生、自己破産など)を検討しましょう。専門家に相談することをおすすめします。

それぞれのステップの詳細解説

家計の見直し

家計の見直しには、以下のようなツールや方法が効果的です。

  1. 家計簿アプリ(例:マネーフォワード、Zaim)
  2. エクセルなどのスプレッドシートを使った自作の家計簿
  3. 現金派の方には、封筒分け法(用途別に封筒を分けて現金を管理する方法)

支出を「必要不可欠なもの」「あった方が良いもの」「なくても困らないもの」に分類し、後者から見直していきましょう。

貯蓄の習慣化

貯蓄を習慣化するためのコツは以下の通りです。

  1. 給料日に自動振替を設定する
  2. 貯蓄目標を視覚化する(貯金箱や貯蓄グラフの活用)
  3. 小銭貯金など、小さな積み重ねを大切にする
  4. 臨時収入(ボーナスなど)の一定割合を必ず貯蓄に回す

緊急資金の確保

緊急資金は、以下のような事態に備えるためのものです。

  1. 突然の失業や収入減
  2. 予期せぬ医療費
  3. 緊急の家族支援
  4. 災害時の生活費

これらに備えるため、給与の10%程度を毎月積み立てていくのが理想的です。

保険の見直し

保険の見直しには、以下のポイントに注意しましょう。

  1. 必要保障額の計算(収入×就業年数-貯蓄など)
  2. 掛け捨てと貯蓄型の選択
  3. 特約の必要性の検討
  4. 複数の保険会社の比較検討

保険の見直しは専門知識が必要なため、中立的な立場のファイナンシャルプランナーに相談するのも良いでしょう。

借金の返済

借金返済の具体的な方法には以下があります。

  1. 雪だるま式返済法(金利の高いものから返済)
  2. 債務の一本化(金利の低い借り入れに借り換え)
  3. 返済計画の作成と実行

返済中は新たな借り入れを避け、可能な限り繰り上げ返済を行うことで、早期の完済を目指しましょう。

NISA・iDeCoを始めるタイミング

上記の5つのステップが整ったら、いよいよNISA・iDeCoの検討を始めましょう。ただし、年齢や家族構成によって最適なタイミングは異なります。

20代〜30代前半:できるだけ早く始めることで、複利効果を最大限に活用できます。
30代後半〜40代:ライフイベントとのバランスを考慮しつつ、計画的に始めましょう。
50代以降:退職金の運用や老後資金の確保として活用を検討しましょう。

NISA・iDeCoの基本と選び方

NISA(少額投資非課税制度)
年間の投資上限額:360万円(2024年以降)
非課税期間:無期限
特徴:株式や投資信託の運用益が非課税

iDeCo(個人型確定拠出年金)
月々の拠出限度額:いくつかの区分があり、最大68,000円(2024年時点)
特徴:拠出時の所得控除、運用益の非課税、受取時の税制優遇

選び方のポイント

  1. 自分の年齢と働き方
  2. 投資可能な金額
  3. 運用の知識や経験
  4. 老後資金の準備状況

よくある質問と回答

Q: 貯蓄と投資、どちらを優先すべき?
A: まずは緊急資金の貯蓄を優先し、その後、長期的な資産形成のために投資を検討しましょう。

Q: 学生や若者でも投資を始めるべき?
A: 可能であれば早めに始めるのが理想的ですが、まずは学業や就職など、自己投資を優先させることも大切です。

まとめ

NISA・iDeCoは確かに魅力的な制度ですが、その前にやるべきことがあります。家計の見直し、貯蓄の習慣化、緊急資金の確保、保険の見直し、借金の返済という5つのステップを踏むことで、より安定した資産形成の基盤を作ることができます。

これらの基礎固めを行った上で、自分の状況に合わせてNISA・iDeCoを活用することで、より効果的な資産形成が可能になります。焦らず、着実に、長期的な視点で財務計画を立てていくことが、豊かな将来につながる近道なのです。

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