はじめに
投資を始めようと思ったとき、よく耳にするのが「ETF」と「投資信託」という言葉です。どちらも複数の銘柄に分散投資できる金融商品ですが、その特徴や仕組みには大きな違いがあります。この記事では、ファイナンシャルプランナーの視点から、ETFと投資信託の違いを詳しく解説します。両者の特徴を理解することで、あなたの投資目標に合った選択ができるようになるでしょう。
ETFとは?その特徴と仕組み
ETF(Exchange Traded Fund)は、日本語で「上場投資信託」と味ばれます。その名の通り、株式市場に上場されており、株式と同じように取引所で売買することができます。
ETFの主な特徴は以下の通りです。
取引所での売買が可能 株価指数などの特定の指標に連動するように設計されている リアルタイムで価格が変動する 最小取引単位が1口から可能な場合が多い
ETFの仕組みは、特定の指標(例:日経平均株価)に連動するように、その指標を構成する銘柄を同じ比率で保有することです。これにより、個別株式を購入するよりも簡単に分散投資を実現できます。
投資信託とは?その特徴と仕組み
投資信託は、多くの投資家から集めた資金をひとつにまとめ、運用の専門家が株式や債券などに分散投資する金融商品です。
投資信託の主な特徴は以下の通りです。
運用の専門家が資金を管理・運用する 多様な投資戦略や資産クラスに投資可能 基準価額は1日1回、市場終了後に算出される 最低投資金額が設定されている場合が多い
投資信託の仕組みは、投資家から集めた資金を「ファンド」として一括管理し、運用会社が定めた方針に基づいて運用することです。これにより、個人では難しい専門的な運用や、海外の株式・債券への投資なども可能になります。
ETFと投資信託の7つの主な違い
- 取引方法の違い ETFは株式と同様に取引所で売買します。一方、投資信託は運用会社や証券会社を通じて購入・解約を行います。
- 価格決定の仕組みの違い ETFは市場での需給によってリアルタイムで価格が変動します。投資信託は1日1回、市場終了後に基準価額が算出されます。
- 運用方法の違い(パッシブ vs アクティブ) ETFは主にパッシブ運用(指標に連動する運用)が多いです。投資信託はパッシブ運用とアクティブ運用(運用者の判断で銘柄を選択する運用)の両方があります。
- コスト(手数料)の違い 一般的に、ETFは投資信託よりも運用コストが低いことが多いです。ただし、売買時に委託手数料がかかる場合があります。
- 最低投資金額の違い ETFは1口から購入可能な場合が多いですが、投資信託は最低投資金額が設定されていることがあります。
- 分配金の違い ETFは保有する銘柄の配当をそのまま分配することが多いです。投資信託は運用会社の判断で分配金額が決定されます。
- 商品の多様性の違い ETFは主にインデックス連動型が多いですが、投資信託はさまざまな運用戦略や資産クラスに特化した商品があります。
ETFのメリット・デメリット
メリット
・低コスト
・一般的に運用コストが低い
・流動性が高い
・取引所で随時売買可能
・透明性が高い
・構成銘柄や価格がリアルタイムで確認可能
・税制優遇
・特定口座での損益通算が可能
デメリット
・商品の種類が限定的
・主にインデックス連動型が中心
・配当が少ないことがある
・インデックスの構成によっては配当が少ない場合も
・為替リスク
・海外ETFの場合、為替変動の影響を受ける
投資信託のメリット・デメリット
メリット
・専門家による運用
・運用のプロが資金を管理
・多様な商品
・さまざまな戦略や資産クラスに投資可能
・少額から投資可能
・積立投資などで少額から始められる
・分散投資が容易
・1つのファンドで多数の銘柄に投資可能
デメリット
・手数料が高いことがある
・運用管理費用(信託報酬)等のコストがかかる
・運用成績にばらつきがある
・特にアクティブ運用の場合、成績の差が大きい
・流動性が低い
・基準価額の算出が1日1回のため、即時の売買が難しい
どちらを選ぶべき?投資家のタイプ別おすすめ
初心者投資家向け
・ETF
低コストで簡単に分散投資が可能なため、初心者にも扱いやすい
・投資信託
専門家による運用で安心感があり、少額から始められる商品も多い
リスク許容度の高い投資家向け
・ETF
レバレッジ型やインバース型などの商品で、ハイリスク・ハイリターンを狙える
・投資信託
新興国や特定のセクターに特化した商品で、高いリターンを追求できる
長期投資を考えている投資家向け
・ETF
低コストで長期保有に適しており、複利効果を最大限に活用できる
・投資信託
長期的な成長を目指す商品や、定期的に分配金が得られる商品がある
短期的な利益を狙う投資家向け
・ETF
取引所で売買可能なため、市場の短期的な動きに対応しやすい
・投資信託
タイミングを選べば短期的な値上がり益を狙える商品もある
ETFと投資信託の組み合わせ方
ETFと投資信託は、それぞれの特徴を活かして組み合わせることで、より効果的なポートフォリオを構築できます。
ポートフォリオの核としてETFを利用し、特定の分野や戦略で投資信託を組み合わせる
【例】株式市場全体に投資するETFをコアとし、成長期待の高い新興国投資信託をサテライトとして組み合わせる
インデックス運用としてETFを、アクティブ運用として投資信託を利用する
【例】日本株式市場全体に投資するETFと、優良企業に厳選投資する日本株アクティブファンドを組み合わせる
このような組み合わせにより、低コストで市場全体のリターンを得つつ、付加価値のある運用も取り入れることができます。
注意点とリスク管理
ETFと投資信託のどちらを選ぶにせよ、以下の点に注意が必要です。
市場リスク
株式市場全体が下落した場合、ETFも投資信託も価値が下がる可能性がある
為替リスク
海外に投資する商品の場合、為替変動の影響を受ける
流動性リスク
市場環境によっては、希望する価格で売買できない場合がある
リスク管理の基本は、分散投資と長期投資です。複数の資産クラスに分散し、時間分散を行うことで、リスクを軽減できます。また、定期的にポートフォリオを見直し、必要に応じてリバランスを行うことも重要です。
まとめ
ETFと投資信託は、どちらも魅力的な投資商品ですが、その特徴や仕組みには大きな違いがあります。ETFは低コストで流動性が高く、投資信託は専門家による運用と多様な商品が特徴です。
どちらを選ぶかは、あなたの投資目標、リスク許容度、投資期間などによって異なります。また、両者を適切に組み合わせることで、より効果的なポートフォリオを構築することも可能です。
重要なのは、自分の投資目標をしっかりと定め、それに合った商品を選択することです。必要に応じて、ファイナンシャルプランナーや証券会社に相談するのも良いでしょう。賢明な投資判断で、着実な資産形成を目指してください。

